<2014年 第38号>
植えられた樹木の調和が美しくて、通るたびに気 になっていた願成寺さんを訪れて境内を見せてもら いました。創建が約 600 年前と言われています。桜、 イチョウ、芭蕉等の木々に清涼感が漂います。
お寺に入るとすぐ右手にお地蔵様が 3 体並んでい ます。藤棚にあった延命地蔵尊、岩亀横丁にあった 子育て地蔵尊、そして願成寺の日限地蔵尊が合祀さ れています。日限地蔵尊とは、百日参りのように、日を限ってお参りすると願いを叶えてくれる 意味なのだそうです。
境内には平沼亮三の他、たくさんの地元名士のお墓が並んでいますが、奥の方へ入ると気に なるお墓を発見しました。横浜開港間もない 1860 年代に二つの大きな事件が起きました。一つ は「鎌倉事件」と言われる、鎌倉八幡宮そばの茶屋でイギリス士官 2 名を斬殺、いわゆる維新の 志士と言われた清水清治,間宮一のお墓、もう一つは「フランス水兵殺害事件」と言われる、関 内にあった遊郭で乱暴を働いていたフランス水兵を殺害 した鳶職の亀吉(通称小亀)のお墓です。当時は「よくや った、正義を行った」と言う声も多かったそうで、今でも お花や、線香をあげている方がおられます。
ところで願成寺さんの日限地蔵尊縁日は昭和初期から 続いているのを知っていましたか?そして、私の記憶では 昭和 50 年代ごろは 4 と 9 のつく日が縁日でした。その頃 はあまりの混雑に必死に我が子の手を引いていたことを 思い出します。