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こ の 町 、この人 NHK出演をめざすおふたり

<2013年 第30号>

 「私たち二人は稲荷台尋常高等小学 校の同級生で、今年で 93 歳になります」 と語る横溝錦子さんと川口清子さんに お話を伺いました。関東大震災と横浜大 空襲を体験したお二人にとっては「焼夷弾がまるで雨がざ あざあ降っているように落ちてきた」「衣類がない、食べ るものがない、住むところがない状態だった」とおっしゃ るように、大変苦しく、悲しい思い出として今でも鮮明に 記憶に残っています。


 ここ藤棚の元の地名は“古井戸稲荷台”と呼んでいて、その名のとおりあちこちにある井戸は 生活に欠かせませんでした。当時の交通手段として横浜駅西口、東神奈川等へは市電が走ってお り、どこまで行っても7銭(饅頭一個の値段)とお得だったそうです。


 映画館や芝居小屋のある伊勢佐木町には野毛経由で歩いて行きました。途 中、水道道を通って神中坂を下りたあたりには吉川英治が住んでいて、その 頃はまだ三菱ドッグで働いて生計を立てていたそうです。


 ところで今、お二人が一番に希望することは何ですかと聞いたところ、 「100歳まで生きたらNHKに出演したい」とおっしゃいました。はき はきと取材に答える様子から、十分できそうです。実現するといいですね。歌が大好きだと言う お二人は最後に「わが日の本 島国の~」で始まる横浜市歌を最後まで元気よく歌いきりました。 いつまでもお元気で。写真は、横溝錦子さん(左)と川口清子さん(右)



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