<2024年 第96号>
相続対策として「家族信託」という制度を最近耳にするようになりました。
例えば、高齢者の方が自宅を売却したくても、その時点で認知症の状態であれば売主として家を売却することができません。
そんなときに備えて、家族信託という制度が活用されています。
どのような制度か、まずは、下記の図を見てください。
委託者兼受益者Aが親(以下、親A)、Bを子と仮定します。親Aは子Bに自宅を託します。仮に、親Aが認知症になったとしても、託された子Bが親Aに代わって自宅を売却できます。
そして、Bが売主として売却しますが、売ったお金はAのために使う(施設の入所費用に充てるなど)とあらかじめ契約で決めておくことができます。
ポイントは託す人と利益を受ける人がともにA(同一人物)であるという点です。つまり、お元気なうちに自分の財産の管理処分等について信頼できる人に託し、自分の財産から生じた利益を受ける、という契約をあらかじめ結んでおくことができます。
手品のような話ですが「信託法」という法律できちんと定められています。
相続対策として一度ご検討してみてはいかがでしょうか?
※この方法はかなりの専門的知識を必要とし、他の制度との組み合わせが必要な場合もありますので、ご興味の方はお近くの法律専門職(司法書士・弁護士等)にご相談されることをお勧めいたします。